一人暮らしの初期費用

契約書と見積書の言葉

並べる順番は、五十音でも重要度でもありません。読めるのに、意味を取り違えやすい言葉から先に置いてあります。「敷金」は誰でも読めますが、預けるお金なのか返ってこないお金なのかは、名前からは分かりません。事故が起きるのはそういう言葉のほうです。

借賃しゃくちん
家賃のこと。仲介手数料の上限を定めた告示はこの語を使っており、共益費・管理費は含みません。上限を確かめるときに、家賃と共益費を足した金額で計算すると答えがずれます。
出どころ|昭和45年建設省告示第1552号
媒介ばいかい
不動産会社が貸主と借主の間に立って契約を成立させること。仲介と同じ意味です。仲介手数料は媒介の報酬で、契約が成立してはじめて請求できる成功報酬です。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
敷金しききん
契約から生じる借主の債務を担保するために預けるお金。退去のときに債務を差し引いた残りが返ってきます。住んでいる間に「今月の家賃を敷金から引いて」と借主から求めることはできません。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
礼金れいきん
貸主に払い切りで渡すお金。退去しても返ってきません。地域の慣習として行われているもので、礼金のない物件もあります。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
敷引・償却しきびき・しょうきゃく
預けた敷金や保証金のうち、退去時に借主の債務の有無にかかわらず差し引かれる定額分。西日本に多いとされます。「敷金」という名前でも中身がこれのことがあるので、契約書の条文を読む必要があります。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
前家賃まえやちん
契約時に翌月分の家賃を前払いすること。入居月の日割り分と合わせて、最初に家賃のおよそ2か月分が出ていく理由がこれです。余分な請求ではなく、支払う時期が前にずれているだけです。
出どころ|国土交通省 賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版)
日割り家賃ひわりやちん
月の途中から住み始めた月の家賃。賃貸住宅標準契約書では、1か月に満たない期間の賃料は1か月を30日として日割計算するとされています。実際の月の日数で割る契約もあります。
出どころ|国土交通省 賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版)
共益費・管理費きょうえきひ・かんりひ
階段や廊下など共用部分の維持管理に使うお金。標準契約書では、光熱費・上下水道使用料・清掃費などに充てるものとされています。家賃とは別建てですが、毎月かかる点は同じです。
出どころ|国土交通省 賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版)
フリーレントふりーれんと
入居してから一定期間、家賃が無料になる条件。初期費用は下がりますが、短期間で解約すると免除された家賃を戻す特約が付いていることがあります。契約書で期間と条件を確かめる項目です。
家賃債務保証やちんさいむほしょう
保証会社が借主の家賃の支払いを保証する仕組み。滞納が起きると保証会社が貸主へ立て替え、あとで借主に請求します(求償)。肩代わりしてもらえるお金ではありません。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
極度額きょくどがく
保証してもらえる上限額。個人が連帯保証人になる契約では、極度額を定めないと保証契約が無効になります(民法465条の2)。国土交通省住宅局の令和3年のアンケートでは、平均は月額賃料の18.6か月分でした。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
借家人賠償責任保険しゃくやにんばいしょうせきにんほけん
火事や水漏れで部屋を壊してしまい、貸主に原状回復の賠償をしなければならなくなったときのための保険。契約時に加入を求められる住宅総合保険に含まれていることが多い補償です。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
重要事項説明じゅうようじこうせつめい
契約の前に、宅地建物取引士が書面を交付して行う説明。宅地建物取引業法35条1項が義務づけています。違反は行政処分の対象になり得ます。分からないまま署名せず、その場で聞く場面です。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
原状回復げんじょうかいふく
退去のときに部屋を元に戻すこと。ふつうに住んでいて生じる傷み(通常損耗)や、時間が経つことによる劣化(経年変化)は、借主が負担するものではないとされています。敷金から差し引かれる範囲がここで決まります。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
定期借家ていきしゃくや
契約期間が来たら更新されず、必ず終わる賃貸借契約。家賃が相場より低いことがある一方、住み続けたくても再契約できるとは限りません。ふつうの契約(普通借家)とは別物です。
更新料こうしんりょう
契約を更新するときに貸主へ払うお金。初期費用ではありませんが、2年後にもう一度まとまった支出が来るという意味で、部屋を選ぶときに見ておく項目です。地域と契約によって、あるかないかが変わります。
標準引越運送約款ひょうじゅんひっこしうんそうやっかん
国土交通省が定めた引越しの契約ルール。見積書の交付や、解約・延期手数料の上限が決まっています。平成30年6月1日から、解約手数料は当日50%以内・前日30%以内・前々日20%以内に引き上げられました。
出どころ|国土交通省 標準引越運送約款等の改正について
ロールボックスパレットろーるぼっくすぱれっと
単身者向けの引越しで使われる、かご台車の形をした容器。この容器単位で価格が決まるサービスは、標準引越運送約款によらない旨を業者があらかじめ告知した場合、その約款が適用されません。単身パックを使うときの注意点です。
出どころ|国土交通省 標準引越運送約款等の改正について
法定果実ほうていかじつ
物を貸して得られる対価のこと(民法88条2項)。家賃はこれにあたるため、日ごとの割合で受け取るのが原則とされ(同法89条2項)、日割り精算の根拠になっています。
出どころ|国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版)
宅地建物取引業者たくちたてものとりひきぎょうしゃ
宅地や建物の売買・賃貸の仲介などを業として行う、免許を受けた事業者。仲介手数料の上限や重要事項説明の義務は、この立場の相手にかかるものです。貸主や保証会社には同じ規制はかかりません。
出どころ|昭和45年建設省告示第1552号

項目ごとの詳しい説明は内訳ずかんにあります。

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